前回この農業法人の報告をしてから2年以上経ちました。
結果から言うと彼らの大勝負は吉と出ました。
億単位の補助金と借入で建設したライスセンターで自分たちで卸売業者に直接交渉して売ることができるようになった翌年に、(2025年)みなさんご存知のように温暖化や米の流通システムなどの原因で米の値段が倍増してしまいました。ただこれは生産者にとっては恵の雨で彼らは自分たちの米のみならず余裕があるライスセンターのキャパシティを利用して地元のコメをJAより高い価格で買い取ってあげることも出来ました。これは元々立石社長の構想内にある米の商社事業で、より地元の農家から市場をにらみながら、より高い価格でコメを買い取って農家を助けることができる様になったわけです。これまではJAの言い値でしか買い取って貰えなかった米に少しばかりの市場原理を持ち込んだということになります。
これらのおかげで2025年度は信州農家は会社創設以来の売り上げと利益が立ち、関係者はほっとした結果になりました。ただしこの価格を当てにして今年は米の供給が増えるため米の価格はかなり下落するという予想のもと今年の事業を進めています。それにしてもこんなに米の価格が乱高下する米政策も何か違っているのではないかという気がします。構造的に高齢化や流通の情報の見えなさ加減は不動産業界以上かもしれず、この業界の将来は心配です。
ただ彼らは現在薄利でも事業が成り立つように規模の拡大を目指し高齢者からの田んぼの委託を増やして規模の経済と効率化を進めています。現在でも90ヘクタールの田んぼを管理している彼らは長野県でも有数の大型農業法人となっています。正社員4名の他、インドネシアからの研修生を10人以上使ってうまく経営できています。外国人労働者をフェアに扱い、フェアな勤務条件を提示しているので彼らは喜んで働いています。このような人事管理もうまくいっているようです。
まだまだ改善の余地の大きい日本の米作事業を新しい時代に安定的に稼ぐことができて、バランスよく従業員ともシェアできるような経営体にすることがこの会社の使命で、それには我々も協力を惜しみません。これだけ美しい自然環境の中で健康に仕事をしながら安定した給与を出せるとまだまだ若い世代の人たちに魅力のあるビジネスは作れると信じています。
個人的にはいつかAgri Tourismの良い宿と健康な食事が彼らと一緒にできることを夢見ています。


